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◆a/CmvfV8ng 2016/01/20(水) 01:32:19.35 ID:JnabhDt30
「...ずっと好きでした。好きです。付き合ってください」
私は最高の偶像、シンデレラガールという称号を手にした夜、自らのプロデューサーを呼び出しこう告げた。
「...ごめんな」
そう言って笑った彼の顔はとても笑顔と呼べるものではなかった。
期待していた答えとは正反対のものである。しかし、予想通りでもあった。
なんで。貴方は私に惚れたから私をアイドルにしたんでしょう?
どうして。それを両想いと呼ぶんじゃなかったの?
「...凛の気持ちは嬉しい。でも俺は応えられない。応えちゃいけない」
言っている意味が分からない。
「凛が俺に抱く気持ちは病気みたいなものだからだよ」
聞きたくない。
「それは一過性の気の迷いで。単純に一緒に過ごした時間が長いからそう思ってるだけなんだ」
恋ってそういうものでしょ?
「凛はこんな非日常的な世界にいるからこそ、普通の幸せを掴まなきゃいけない」
普通って何?幸せって何?
「学生らしい恋をして同じくらいの年の男と普通の青春を送るべきだ」
そんなの私の勝手じゃん。
「学生としての楽しみは学生の時にしか楽しめないから。後悔してほしくないんだ」
学生は大人に恋をしちゃいけないの?子供だから?
「...家まで送るよ」
それ以上は私も何も言わなかった。言えなかった。
いつもは助手席に乗るのに今日は後ろに乗った。車内での会話はなかった。
「それじゃ、また明日」
私が車から下りると彼はそう告げてすぐに走り去ってしまった。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1453221139引用元: ・渋谷凛「Pが付き合ってくれない」